成長痛とは、成長期に見られる痛みということで、国際的には日本語から推測できるとおり、Growing Painと呼ばれています。これを見るかぎり、成長期に伴い関節等が痛むもの全てが入りそうですが、国際疾病分類(ICD)では「神経系及び筋骨格系に関 する症状及び徴候」に分類されています。
よく成長期に見られる骨の端の部分の壊死で起こってくる骨端炎(こったんえん)又は骨端症と呼ばれるものとは区別 されています。
12歳未満の小児、特に2~8歳の子供で、日中は元気に遊んでいたのに、その日の夜寝ている時に、急に足が痛いといって目を覚ましたり泣き出すことがあり ます。
これといったケガや目立った外傷も特にありません。
この痛みは長く続かないのが特徴で、さすったりしているうちにおさまりまた寝てしまうというよう な状況です。
これが成長痛です。
成長期の骨端 手や足の長い骨は、その中央部を骨幹(こっかん)、関節部につながる両端を骨端(こったん)と言います。
中央分の骨幹は、緻密質と呼ばれる堅固な組織に なっていて内部に若干の髄腔(ずいくう)がありスポンジ状になっています。
一方骨端は、逆に周辺部に薄い緻密質があるだけで、内部はほとんどスポンジ状の 海綿質になっていて軟らかくなっています。
骨の中には血管や神経が通っていて、骨端軟骨部分の成長帯も血流が盛んになっています。成長期には、骨端の軟骨 が増殖して骨になっていくことで身長が伸びていきますが、骨端軟骨が骨化していき骨端線になると、骨の成長は止まっていきます。
関節が痛む病気には、成長痛以外にもいろいろあります。
小児特発性関節炎や若年性関節リウマチといった場合があります。
関節が腫れてひどい痛みがあるよう ならば成長痛ではありませんので、小児科や整形外科を速やかに受診したほうが良いでしょう。
成長痛は病気による痛みではなく、成長過程において起こる生理 的な痛みです。
しばらくするとおさまり、翌日には元気に飛び跳ねたり走ったりして遊んでいるのが特徴ですが、月に 1~3回ぐらいの割合で起こり、1~2年続くことも多くあります。
成長痛は、12歳未満の小児、特に幼稚園児や小学校低学年を中心とした年代に起こりやすく、それにはいろいろな生活環境の変化などによる心理的ストレスも 原因なのではないかといわれています。
夜は昼間と違って心がリラックスでき、特に寝ているときは子供の心の抑制がとれるので、それが「痛み」となって訴え やすくなっているということも夜間に成長痛の訴えが多い一つの原因になっていると推測できます。
注目記事